ワニワニパニックといえば、国民的と言ってもいいほど有名なゲームセンターの代表機種!穴から出てくるワニたちを、クッション付きのハンマーでバシバシと叩いて撃退するという、超シンプルなゲーム性でありながら、老若男女楽しめるアーケードゲームだ。
一方、ワニのゲームといえば、もう一つ思い浮かぶのがあのおもちゃ。参加者が順番に歯を押していき、外れの歯を押してしまうと「ガブリッ!」と噛みつかれるというハラハラドキドキ系のアイツだ。
噛み付くおもちゃ…ワニワニパニックではなかった
まず初めに知っておかなければならないことがある。実は、歯を押すと指に噛み付いてくるあのワニのおもちゃは「ワニワニパニック」という名称の商品ではないという衝撃の事実だ。
楽天市場やAmazonでもワニワニパニックと検索すれば大量にヒットする上、「ワニワニパニック」というキーワードで販売されているが・・・あのオモチャの正式名称は「イタイワニー」というらしい。
ゲームセンターのワニワニパニックが「ワニを叩いてストレスを発散するゲーム」なのに対して、イタイワニーは「誰が噛まれるか分からないというストレスを楽しむ」という趣旨のオモチャ。
両極端の楽しみ方だというのに、ワニワニパニックの名称で浸透してしまっているのは、ワニワニパニックというネーミングセンスが素晴らしいからに違いない!
ワニワニパニックとは
ワニワニパニックを知らない人のために一応解説しておこう!ワニワニパニックとは、ナムコ(後のバンダイナムコアミューズメント)が1988年に開発したゲームセンター用のアーケードゲーム。

「アマゾンのジャングルにて襲いかかる凶暴なワニをハンマーで叩いて撃退する」というコンセプトで開発され、身体を使ってプレイする爽快感や、単純でありながらもスピーディな動きを求められるゲーム性から30年以上経過した現在でも後継機が開発されるほどの大ヒットゲームとなったのだ!
どれだけ知ってる?ワニワニパニックのシリーズ機
初代ワニワニパニックの大ヒットから30年以上。直近では2020年にリニューアル版が開発されるなど未だに現役バリバリである。実は、このワニワニパニック、ゲーム性やコンセプトにアレンジを加えたシリーズ機がいくつか開発されているのをご存知だろうか?
(初代)ワニワニパニック-1988年-
販売開始から30年が経つ初代ワニワニパニック。台座の側面に描かれたちょっと間抜けな顔をしたワニのイラストをみると懐かしいと感じる方も多いかも知れない。
古びた温泉センターなどに行くと、故障という張り紙とともに片隅に放置されていたり、センサーが一切反応しなくなってしまった歴戦のワニたちを見かけることも…。それほど大ヒットしたゲーム機だったのだ!
Wacky Gator -1990年-
ワニワニパニックのシリーズ機が開発される前年、海外向けのワニワニパニックも開発されている。といっても、ゲーム機自体の見た目はほとんど変わらず台座のデザインがちょっとだけリアルになっている。
カニカニパニック-1991年-
初代ワニワニパニックの大ヒットを受けて開発されたシリーズ機第二弾が「カニカニパニック」だ。
カニたちが水平方向に移動するところを叩き潰すという斬新なシステムで、噛まれるという緊迫感は消えたものの、3段のレーンを水平に移動するカニを叩くということで難易度が格段にアップしている。
サメサメパニック-1994年-
カニカニパニックに続いて登場した第三弾機はサメサメパニックだ。こちらはサメに噛まれるという緊迫感へと原点回帰。
基本的にはワニワニパニックと同じような仕様になっているが、サメが頭を出すよりも先に水面から背びれが見えるというジョーズ感を追及しているのもポイントだ。
たこいかぱにっく-1995年-
穴から垂直に飛び出してくるタコとイカを叩くというオーソドックスなモグラ叩き。スピーカーから指示された的を叩くことで得点になるが、間違えると減点されるという加減点方式を採用。ゲーム性が複雑すぎたためか大ヒットとは至らなかったのようだ。
ワニワニパニック2-1996年-
初代ワニワニパニックから「カニ」→「サメ」という挑戦を得て、ついに二代目ワニワニパニックが登場。ファンキーでアメリカンなワニのイラストが描かれているのがワニワニパニック2の最大の特徴。

得点のみを表示するモニターから液晶ディスプレイが搭載されているあたりも時代の進歩を感じさせる。ちなみにワニワニパニック2まではハンマーが1本しか付いておらず、ワニとは孤独なソロプレイで戦う必要があった。
Dino Bonk-1996年-
海外専用として販売されたワニワニパニックの恐竜バージョン。初代ワニワニパニックのマシンはそのまま、外観とワニが恐竜に変わっただけのように感じてしまう…。
ワニワニパニック3-2007年-
少し時間が空いて2007年。10年の時を経てついに2人プレイが可能となったワニワニパニック3が登場!

ワニの数は5匹というのはそのままだが、センターには色の違うボスワニが登場。このボスワニは一発では倒せず、連打することで倒すことができるというゲーム性も向上している。
ワニワニパニックR
長らくシリーズ機が販売されなかったワニワニパニックだが、ついに2020年「ワニワニパニックR」として復活!見た目は初代ワニワニパニックを踏襲する形であるものの、好評だったワニワニパニック3の2人プレイは継続。さらに成績パネルが32型の大型液晶モニターとなり、さまざまな演出が表示されるようになった。
初代ワニワニパニックにハマって遊んだ子供たちも今やお父さんお母さん世代。「今度は自分の子供と親子2代で協力プレイ!」なんてことも多いのかも知れない!
シリーズはまだまだある
約10年おきに後継機が開発されてきたワニワニパニックだが、実はその間にもさまざまなチャレンジがあったようだ。
2003年にはリハビリサポート用のゲーム機としてワニワニパニックRTを発表していたり、アーケードゲームを小型化させた家庭用のおもちゃとしてワニワニパニック(1990年)・カニカニパニック(1992年)・サメサメパニック(1994年)と相次いで開発している。
イタイワニーとは
ワニワニパニックの壮大な歴史について分かったところで「ワニワニパニックという間違った名称」で世間に知られているイタイワニーについて見ていこう!

イタイワニーは「株式会社 シー・シー・ピー」という約20名の従業員で運営される会社が1993年にリリースした電子玩具だ。
このシー・シー・ピーという会社の歴史が面白く、昭和30年に朝日通商株式会社として設立されるも、平成3年にはカシオ計算機株式会社のグループ会社となり、平成18年にはバンダイのグループ会社になっている。ワニワニパニックを開発したナムコもバンダイと合併しているため、異なる2つのワニのゲームがバンダイによって合流する形になった。
イタイワニーもシリーズ多数
イタイワニーも、ワニワニパニック同様に販売開始当初から大ヒット&ロングヒット。シリーズ商品も多く販売されており、「ちっちゃくたってイタイワニー」「スーパーイタイワニー」などのほか、ワニが喋ったり歯が光ったりする「イタイワニーMAX」や、動き回るワニを銃で狙撃するという異色のコンセプトの「シューティングイタイワニー」などが販売されていたこともある。
残念ながら現在は生産終了しているシリーズも多いが、メルカリなどで頑張って探せば手に入るものもあるようだ。気になる方はチェックしてみよう!
ハラハラドキドキ系のおもちゃの元祖「イタイワニー」は今でも根強い人気を誇っているが、悲しいことに多くの検索ユーザーが「ワニワニパニック」と検索しているようだ。
「イタイワニー」を求めるお客さんが「ワニワニパニック」と検索することから、ネットショップの販売店も商品名に「ワニワニパニック」と表記せざるをえないという負の連鎖が発生している。
ワニを叩くのが「ワニワニパニック」、ワニに噛まれて痛いのが「イタイワニー」だ!どちらも素晴らしいゲームなので、しっかり名前を覚えておこう!
ワニワニパニックじゃなかった!あの噛み付くワニのおもちゃの名前は?
パーティグッズとして有名な「あの噛み付くワニのおもちゃ」。もしや…ワニワニパニックという名前だと勘違いしていないだろうか?
あの噛み付くおもちゃの名前について調べていたら、懐かしいワニワニパニックの歴代ゲーム機の情報がたくさん見つかったのでついでに紹介しちゃうぞ!